oldboy-elegy (30)「電車洗車機」俺ひとり?、列車に乗ったまま内側から見学!?・人は笑うかも知れぬが、当の俺、記事を書くうちに気分が落ち込んだ
(いらすとや)さんからおかりした画像です。
むかしむかしその昔、「JR」がまだ「国鉄・日本国有鉄道」と呼ばれていた
時代のことだ。
因みに、東海道新幹線は開業してから10年すこし経っていた。
oldboy-elegyくん、珍しい?体験をしたことがある。
その発端は、彼のちょっとしたミス??と言うのか、基本、天性のドジ性な
のが原因である。
したがって、本当を言えば,読者諸氏に報告することではないと思って
いた。
しかし、普段の記事からして、無力系、脱力感、満載のものが多いと自負?
しているし、まあいいかの気持ちで記事化した。
読者諸氏が読んで「こんなドジ男(おとこ)」でも、なんとか生きて来たん
だからと「反面教師」ぐらいに思って頂ければ、読む人、書く人とも、いくらか
肩の力も抜けようと言うもの。
なにがあったのかを、先に言っておいた方が良いと思うので、先に披露しておく。
実は、時系列的にゆえば「oldboy-elegy(29)」にて書いた東京出張の折の
話の次の日に起こったハプニングを記事にしたものである。
始め、両方のことを、1記事にて済まそうと考えたのだが、余りに事の内容が
違うので今日ここに「下の段」の気分で書かしていただく。
その事とは、急行車両に自分ひとり(客として)が乗ったまま、新潟駅の
機関区にある電車を洗う装置に(洗車装置)侵入、通過したことである。
ようするに、車両の洗浄を外から見学したのではなく、当該車両に乗ったまま、
散水、洗浄の様子を内側(車内)から一人で見学?したのである。
本人が望んだわけでもないのに・・・
今では、JR新潟機関区の見学イベントがファンの為に、開催されているらしい。
そのおりに、乗車したまま、稼働している洗浄装置を通過する儀式もあるとの
こと、結構人気のアトラクション?であるらしい。
これもひとえに、民間会社JRの好感度UPの必要から企画されたものであろう。
oldboy-elegyくんの場合、JRではなく「日本国有鉄道」ころの話である。
国民、ましてや、客に「媚・コビ」など、売る必要のない時代のことである。
それがなにゆえ、oldboy-elegy君、一人を乗せ、「車両散水洗浄装置」なる
機械に潜ったのか?、をお話をしょう。
断わっておくが、彼、「鉄道オタク」でもなんでもないし、
たんに鉄道は
「A地点からB地点への移動のための必要手段以外の何物でもない」
と考えている御仁である。
アッ、もう一つ明かしておくことがある、
oldboy君が乗っていた列車名を告げておこう。
「急行 佐渡号」で「上野発、新潟行」であった。
なぜ、こんなことになったのか?
そう、先に言ったが、彼が望んで起きたものではない。
むしろ本人にとっては「冷や汗」もんの出来事であった。
すべてが偶然の産物で、意図したものではなく、oldboy君の不注意で起きた、
珍事件である。
ではここからが本文と言うことで~、前振りが長くなり申し訳ない。
★
東京支店の営業課長の原田(仮名)さんからの依頼で、新潟の有力問屋での
「今季、冬物商品の新商品・新色・小売店へのデザイナー派遣日程・様々な
販促品の紹介」などの「説明」をお願いされての事である。
今では、このことを「プレゼンテーション・あるいはプレゼン」と言うのだ
そうな。
だが当の課長、先に新潟入りしており、oldboy-elegy君とは、その日、依頼元
の問屋で会うことになっている。
課長曰く「すまんすまん、君の好きなようにやってもらっていいよ、自分は横に
いるだけだから、それに専門の人からの話(プレゼン)だから」と直接、電話を
もらっていた。
問屋さん側は社長ほか数人の営業マンが同席するらしい。
oldboy-elegy君、基本、このような席が大嫌いなのだ。
これまでのブログで何度も書かしていただいてきたが、
「人生、ノープレッシャーで生きるのが理想」とするお人なのである。
「専門と言われても、こちとら特別、理論的に勉強した訳でもなし・・・」と
心の奥でモゴモゴと言っているoldboy-elegy君がいた。
(いらすとや)さんからおかりした画像です。
夜は山岡先輩に、支店がある人形町の裏通りで、老舗うなぎ屋の「うな重」
を奢ってもらった。
当時とて、「うなぎ」は今同様、高級食材で、御同輩・平社員の彼に奢ってもらう、いわれはないが、結局、ありがたく、馳走にあいなった。
これも東京出張のおりのルーティンとなっている、
oldboy君、旨いものには、すぐ負ける。
こればっかり(ウナギ)は江戸風に軍配があがる。
われながら、恥ずかしいが、どうしょうもできぬ。
楊枝を口に「シーハ~・シーハ~」状態である。
その後、お茶をして、二人して支店にもどった。
(画像元分からず)
新潟行きの「急行・佐渡」は夜中の11時ごろの発車、新潟到着は明日、朝の
5時ごろとのこと。
寝台車両は無かったように思う、確か全席、自由席のはず。
夜行列車にしては、走行距離も短く、したがって乗車時間も6時間ほどの
ものである。
「じゃあー、すこし早いが、上野に行こうか」と山岡先輩、oldboy君を促す。
手荷物は全部で3個である。
1個は個人の手荷物を入れた年期もののショルダーバッグで母手作りの帆布製の
もので、大学時代から使用している。
ショルダーのベルトの幅が広く、本などの重量物を入れても、肩への負担が
少ないのが良い。
2個目は、これも着脱式のベルトが付いた結構大きなモスグリーンのボストン
バッグである。
ここには、私物の衣類やプレゼン用の種々のグッズも入っている。
3個めが、結構大きな紙袋で外はビニールで覆われた頑丈なものである。
主に、紙媒体で作られた販促品や新作の雑誌などが入っている。
なぜここで、3個の荷物の内容を事細かに説明したのかに訳がある。
これらの3個の手荷物の存在が、oldboy君が電車洗浄装置に閉じ込められた
原因となった直接の犯人?なのである。
訂正!!、「直接の犯人」は「俺」oldboy-elegy君であった。
佐渡号は予定通りの時刻に発車、山岡先輩には心よりのお礼を言い、車内
に入る。
座席シートは体面2人ずつ、4人が1ボックスを構成する、昔ながらの雰囲気
のものである。
ずっと車内を見渡しても、無人のボックスはない、少なくとも一人は客がいる。
これからの道中6時間を考えるなら、靴を脱ぎ、前の座席に足を伸ばして、
少しは横になりたいのは人情である。
結局、車両中ほどの、ボックスに一人がけのおじさんの前に、「申し訳なさ」
を口に、座らしてもらった。
荷物は一番重い、ビニールで覆った紙袋を網棚に預け、毛糸関係の見本が
入ったボストンバッグを枕にする。
出張旅費の現金や切符の入った財布を入れたショルダーバッグを肩掛けの
まま、両手に抱え込む形で寝ようとの作戦である。
前のおじさん、すでに寝入ったかの雰囲気である。
席に座る前に、一言二言言葉を交わしたのみである。
こんな折の相席者としては一番有難い御仁である。
もう一つ言うなら、「高崎」あたりで下車されたなら最高なのにと内心
期待する自分がいる。
照明が落とされたのか、冷房がどうとの記憶はまったくない。
ただ頭の中で、明日のプレゼンのダンドリを反芻するばかりで、「ア~、やだな~」
と、この期に及んでも、腹の座らぬoldboy君がいる。
oldboy君、眠れず、体をくねらせ、モンモンとするばかりである。
窓外の灯りは、密に散に、後ろに流れて行く。
「急行・佐渡」は、ただ上越線を北上するばかりである。
「まあ、寝ずとも、仕事は2時間もあれば終わる、気楽に行こう」
と気持ちを切り替えたのが、良かったのか、悪かったのか。
次の瞬間、誰かがoldboy君の肩を叩きながら「お客さん、お客さん」と
言っている。
佐渡号の車掌さんである。
「お客さん、先ほど新潟に到着しています、早く下車お願いします」と急かして
くる。
彼、「ウヘー」と目を醒ましたが、まだ「充分に覚睡」仕切っていない。
車掌さん、彼が目を醒ますのを見るや、そのまま、右、左の窓の開閉を確認
しながら去ってゆく。
oldboy君が、ようやく、我に返り、辺りを一瞥(いちべつ)するが自分以外
客は一人もいない。
ただただ、慌てふためいて、荷物を抱え、車両の通路を脱兎のごとく走り、
ホームに飛び降りる。
この瞬間、体に身震いがはしる。
肝心要(かなめ)の、プレゼン用の全ての資料を入れた、あの大きな
ビニール紙袋を、座席の上の編みだなに置き忘れたことに気が付く。
「ヒエー!!」と言ったかどうかは知らない。
ここからのoldboy君の取った行動が最悪であった。
目の前にあった木製のベンチに、ショルダーバッグとボストンバッグを放り投げ、
体は一目さんに再度、車内にUターン。
これを待っていたように、列車が動き出したのである。
手には、網棚に忘れた手荷物がしっかりと納まっている。
ここで荷物が2個と1個に泣き別れ状態になってしまったのだ。
oldboy君、この一連の出来事のため「茫然自失」、脳機能も完全に
思考停止の状態である。
従って、次に自分の取るべき行動が想起できないのである。
ただただ「泣きたい気持ち」で、事を解決する「判断力」はゼロ状態
なのだ。
座席に座る事さえもできず、手荷物1個を持ち、完全にホケた、
oldboy-elegy 君である。
車両はどこへ行くのか、「ゴトゴト」と今もユックリと走っている。
ここで救世主の登場である。
先ほどの「窓を閉めしめ」後部に去ったあの車掌さんと再会である。
oldboy君の事、完全に起こして、すでに降車しているはずのお人が・・・
車掌さんの彼、こちらに近づきながら「????」の表情である。
「お客さん、なぜここに??」
言葉は発していないが、ハッキリと「目」はそう言っていらしゃる。
ことの次第を説明するのがやっとの事である。
(ウィキペディアより)列車、洗車中の画像
この列車、今「洗車場」に向かっていると事を告げると、チョット
考えていた車掌さん、
「先に洗車を済ませて、それから駅員に来てもらいますワ、部外者が
機関区内を渡るのは危険ですので、彼が駅に誘導する」と言う意味の
言葉をいただいたのである。
サー、ここで、最初に言ったように、oldboy君、国鉄の洗車装置を、
列車に乗っまま、内側から見学と言うのを体験したのである。
感想?、楽しくもなんともないのは、当たり前、ただただ、
悪夢が過ぎ去るのを「ほけた」状態で待つのみ、である。
今に思えば、この間、音声のない、白黒映画の世界にいた、
ように感じる。
若い駅員さんに先導され、結構な道のり、イヤ線路のりを歩き、
駅にたどり着く。
ホームの側のベンチに腰掛けていると、違った駅員さんが、oldboy君の
手荷物を抱え、小走りにこちらに来るのが見えた。
三つの荷物が自分の手元に再会した瞬間である。
駅員さんの最後のお言葉は「切符を回収させてください」のはずである。
記事を書く前は「間抜けではあるが、楽しいものになるぞと期待したのだが、
書くほどに、当時の自分の「精神状態」がそんなものでない事に気が付いた。
oldboy-elegy君の胸に、そのまま当時の気分がフラッシュバックした状態となり、
気の重いもので、楽しいものではなかったと言うことである。
気分は
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、そしてoldboy-elegy君のバカさ
加減を笑ってやってください」と言うことで終わりたく思う。
最後の最後に大変ご迷惑をおかけした国鉄職員の方に「ありがとうござ
ました」と言いたい。
またまたしょうむない(河内弁)、お話で恥の上塗り的記事で申し訳ない。
きっといつかは「世のため、人のため」になる記事をと自分に言い
聞かせるoldboy-elegy君、しかしあてにはできない。
知らぬ間に深夜で日付が変わってしまっている。
ではでは
了
oldboy-elegy