oldboy-elegy (36) シエスタとは、スペインやアルゼンチンで昼食後の長い休憩や午睡(昼寝)等を取る行為のことを言う。似た習慣が50年前の台湾にもあり、彼も一度だけではあるが経験した
台湾(中華民国)の国旗です
今日のoldboy-elegy君の記事は中華民国(台湾)でのことである。
いつもの通り、ことの良し悪しや、政治等を口角泡を飛ばして論じる
つもりは毛頭ない。
ユルユル話の延長にチョットした「スパイスspice」を加え、語るのも
いつもの通りである。
ことは、oldboy-elegy君が言うところの(モラトリアム期間)も終わり、
社会人になって数年たったころのお話である。
まだまだ、社会人とは名ばかりで、給料ドロボーの御身分の頃の一席で
ある。
※モラトリアム期間 社会人になるための猶予期間で、馬鹿が許される
最後の時間とoldboy-elegy君は勝手に解釈している。
それも西暦2020年の現在から、およそ半世紀ほど昔のお話である。
「ヒッヤー古っ!!縄文時代??」と思われるお人もおられるかも知れない。
それでもoldboy君とすれば、つい最近の出来事のように思うのもこれまた事実
である。
★
当時の台湾(中華民国)の置かれた状況を簡単に
中国大陸を追われ、台湾に渡った(中華民国)の蒋介石が未だ健在で、
中華民国の総統であったころの話である。
「毛沢東の中華人民共和国・中国共産党」の台頭著しく、やがて、「蒋介石・
中華民国・台湾」が世界の多くの国々から国交断絶という形で公式的には姿を
消すことになるのは、まだ数年後のことである。
★★
なぜ彼が台湾に出張?
彼の所属部は「企画部で宣伝・開発」が担当である。
ほぼ1年間の実習が明けての配属であり、彼自身希望した部でもあった。
希望の理由は、営業部のように、お金を稼がねばならぬ部署でなく、お金を
効率良く使うのが仕事だと、つまるところ、「稼ぐより使う方が楽に決まってる」
と踏んだのが、彼の主たる動機である。
oldboy君の思考回路、すべからくこうで、誠に不謹慎なやつである。
現業(工場)部門を含めても600人~700人程度の、文字通りの中小企業である。
それ故、営業部に持ち込まれ、はじかれた、様々な、案件・要件が
「便利屋部門」の「企画部」に回ってくることも多々ある。
今回の台湾出張もこんな性質の案件で、あった。
仕事?は、台北市近郊の(樹林)なる町の、縫製工場に、新しく開発した
(工業用の縫製糸サンプルと試験データ)を届けるのが任務である。
早く言えば、運び屋で、それ以上でも以下でもない。
oldboy君に相応しい、軽便で責任のない仕事?である。
もちろん、中国語ができるわけでもなし、英語?これもグダグダの部類に
はいる。
それでは何故彼に、
まず言葉に関しては、危惧することはなにもないのである、なぜなら相手先の
方々が日本語に堪能で、oldboy君の河内弁交じりの日本語より洗練されている
と聞かされている。
もう一つ、彼でなくてはならない、要件が彼には備わっている。
いったいそれは何、oldboy君にそんな得意技、何かあるの?
それがそれ、会社で一番「暇そうに見える」お人であることである。
「暇そうに見える」いやいや、実際にそうだから反論はできない。
こんな訳で、今、台北にいる。
ゆえに、こうして今「樹林」のある縫製工場に向かっている、次第である。
ホテル(台北市の南京東路?」まで慣れないoldboy君のため、社用車で送迎
していただくことになっている。
ありがたいことである。
★★★
ここからが今日の本筋である、
初めて知ったこの事実、台湾の工場、オフィス、学校には(シエスタ・
昼食後の午睡・ヒルネ)の習慣があった。
※シエスタ もちろん、台湾で使われている言葉ではない、ただ行為と意味が
似ていたので、oldboy-elegy君、少々おどけ気味に使用している。
oldboy君、南ヨーロッパのラテン系国家にこの習慣が根付いていることは
知っていたが、まさかアジアのこんな近くの国にも同様の習慣が存在して
いたことには驚いた。
そう言えば、この台湾島の気候条件は「亜熱帯気候から亜熱帯モンスーン」に
属しているらしい。
台湾の向かいの大陸中国は省で言えば「福建省」で「香港」もそう遠くでも
ない。
気候も同じ「亜熱帯」に属する。
良く言えば、「昼食後のヒルネ」にもっとも「フィット」した環境でもある。
「香港」にも昼食後の「午睡」の習慣あるのかどうかは知らない。
oldboy-elegy君、香港へは、2度ほど社用で行ったが、この「午睡」の習慣の
アリ、ナシには気が付かなった。
ただ彼、台湾での、この習慣に1回だけとは言え、実際に経験したことがある。
そこで話を台湾、「樹林」の工場にもどす。
工場間の木製の渡り廊下など、日陰で風通しの良い床に各々マットを敷き、
多くの女工さん達が、気持ち良さそうに午睡。
また学校の教室ぐらいの部屋に、2段ベッドがぎっしり置かれ、そこにも多くの
人が、男女入り混じっての、これまた午睡。
事務所では椅子に腰かけ、そのまま机にうつ伏せにバタンとこれまたご午睡。
それぞれが、気に入った場所と姿勢でドタンと午睡。
いやはやその光景は壮観そのもの、oldboy君も促され、人生初めての、
公認の午睡を実体験。
oldboy君の初午睡の場所はどこだと思われる?、そう、通されたのは、
2段ベッドがズラッと並べられた部屋である。
そのうちの一つのベッドの上段部分で、下段は先ほどの商談相手の一人である、
若者くんである。
時間は小一時間ほどで、ウツラ、ウツラはしたが、寝入ることはなかった。
しかし、なぜか気分は爽快であったことを記憶している。
わが会社に、この制度を提案しょうと思ったが、馬鹿にされるのがオチと、
自身で却下する。
ただし出張報告書には、ヨモヤマ話程度には書きおいた。
さてこの素敵な、習慣、今でも存在するのかどうか気になるところである。
欧米流の時間の強力な管理が「生産性」「合理化」だと思っている経営者も、
もの分かりの良い事務職を含めた現業労働者も、時代はこんな人間的行為も
許さなくなっているのかも知れない。
それを考えると、すたる事はあっても、より盛んになって行くとは考えにくい
ものがある、残念だが。
★★★★
oldboy-elegy君の個人的感想
人間の首に強制的にワッパをはめる道具に、今では事欠かない。
スマートフォン・タブレット・パソコンの発達がそれである。
oldboy君的に答えるなら
何ともすさまじい世になったもんだと、ため息 しきりである。
その昔、oldboy-elegy君、もちろん、そんな便利機器の無い時代のこと。
一度、会社を出たなら、こちらが連絡しない限り、糸の切れた凧さん状態、
こんなoldboy-elegy君でも通用?した、最後の良い時代だったのかもしれ
ない。
あ~そうそう、こんな事もあった。
やっと取り付けたデートの約束、互いの誤認識から会えずじまい、とゆうこと
もあった。
今の時代、考えられない事かもしれない。
「おいお前、何処におんねん?」とスマホで聞けばこと足りるのであるから。
oldboy-elegy君、ことほどさように「便利な世の中になったもんだ」とは思うが、
何故か、「良い世の中になった!!」とは思えないのが本音である。
それでは、午睡でなく、本睡眠に就かしていただくことにする。
では では
了
oldboy-elegy