oldboy-elegy のブログ

ずいぶん長きにわたりグータラな人生を送ってきたもんです。これからもきっとこうでしょう、ハイ。

oldboy-elegy (41) 高校生(エロ坊主)のころ、 隠し持った、三種の神器を母に見つかった。それで叱られたの?いや、むしろ誉められた?!


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このイラスト画は、わが母が
oldboy-elegy君のための「衣替え」
やっていなさる図である。
「チョット若すぎるやろ」の
声もチラホラ聞こえてくるが
そこは許していただこう。





ただ着物姿に割烹着を着ておられないのが少し寂しい。

時は高校2年の秋であったはず。




    
                  ★
       今日の話の出発は、この「衣替え」から始まった

「衣類、入れ替えるわよ、来週一週間、予定して置いて」と母の威勢の良い
声がひびく。
つまり「春・夏物」をしまい、「秋・冬もの」を出すわよ、と仰っている
のである。

今にして思えば、この母の一声が全ての始まりであった。


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左のイラスト画像は母である。
「衣替えの作業中」の折も、もちろん
和装。

ただし、着物の上から、白の割烹着で
身を包まれる。

本来なら、その「雄姿」をUPしたい
のだが、残念ながら割烹着姿の画像は手
に入らず、
これにて、ご勘弁を。

お歳の雰囲気もなにやら
近しいものが
感じられて気に入っている。







ゆうに、50年以上昔の話であることを踏まえて読み進めて欲しい。

 





母の言う「衣替え」とは、単に「衣類」の入れ替えだけはない。
これから、しまう「夏物」は全て手洗いをして、キッチリと天日で干すの
である。
それでも気になる汚れやシミがあれば薬品で落すことも作業の一貫を成す
重要な過程なのだ。

余計なシワが出ないように、キチンとたたみ、収納し、押し入れに段積み
される。

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上のイラストは、母手ずからの「棒針編み」のセーターである。
小学校時代はイロイロの図柄が前身にデザインされていた。
さすがに、高校生にもなると、すべて無地物に変わっていた。


7才違いの妹の分も、同時に衣替えをなさる。
そこそこの量である。
とうぜん、入れ替わりに出て来る「冬物」などは、樟脳の匂い抜きのため、
天気の良し悪しを見ながら、家のウチ、ソトに「所狭し」と干される事に
なる。



このお方、本当に体を動かすのが「楽しくてしょうがない」との,ご様子だ。

ただし少々、休憩の多いのが難点。
キセルでタバコを吸うための小休止である。
「ア~そうそう」いで立ちは、当然着物姿で、シロの割烹着(カッポウギ)
をその上からハオッテおられるのは、いつもの事。


「もうそんな時期か~?、しやけどウチの学校、衣替えなんか適当みたい
やど」とだらけた学校に通う、だらけた生徒がのたまう。

※ 「しやけど 」は大阪・河内の方言? 「だけど」が標準語?、
良く判らん。

「そうよ、もうそんな季節、あんたなんか、ほっといたら、いつでも同じ
服やから、味も素っ気もあらへんわ」と母。

そう、まさに、「歳時記」で言うところの「衣替え」の行事そのもの
なのである。

その中には、母がウールの毛糸で編んだ、自作の創作セーターの4~5着や
マフラーも数本、含まれている。

さりとて、ldboy君がこの作業に加わることはない。
学生服一式(上着・ズボン・学帽・シロの長袖シャツ)をこの間、確保して
おけば事足りる。

時は、彼、高等学校2年の秋で、そろそろ、「大学進学」を本気で考えても
良い頃
の話である。

彼が帰宅する時間帯には部屋は、少々、樟脳臭さが漂っている他は、
見た目に変わりはないが、ほぼ、片付いたのだろう。

ただ、木製のチープ(安っぽい)な洋服箪笥の中身はガラッと変わっている。

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左は洋服タンスのつもりの画像、絵が
下手な分
安っぽく見えて丁度よい。

画像はネット上にたくさんあるが、
殆んど、ニトリやアマゾンのもの、
しかたなく、自前で調達。

     
     


 



               ★★

            母の煮え切らぬ告白


          「衣替え」も終わったその週末、
     oldboy-elegy君が帰宅するのを待って
いたかのように、母が
      
「あんた、〇✖屋のクリームパン、ジャムパン食べる?」
         と部屋の外からおらんでらっしゃる。

※「おらんで・・」 大声で叫んで、位の意味の河内弁、多分
         

彼、一瞬「!???」状態になる。
母にしては、持って回った、言い方である。
とうぜん、こちら、この時間、腹をすかして帰宅するのは、いつもの事、
その上〇✖屋の、これまた大好きな菓子パンがあるらしい。
小学校の上級生になった七つ下の妹の分も当然、用意されているはず。

それも2個の割り当てなのだ。
それを「食べるか?」と聞かれたもので「!???」と相成った次第で
ある。

「腹減ったー、はよくれー」と俺。
一瞬、おかしな聞き方しよる、思ったが、その思いはすぐに何処かに霧消。

「うちも、自分の分、あんパン買(こ)うてきたん、部屋上がってええか?、
一緒に食べよ、お茶用意して来るは」と母。

oldboy君、母の前で、お茶も飲まずに、一瞬でジャムパンを完食、

少し腹の虫も収まったのか、母のさきほどからの、らしくない言動に
気が行く。

母を前にして「オカシイ、なんか母ちゃんオカシイは!?」と、口に
のぼせたのである。

「うち、オカシイの分かるか?」と母

この時点で、「親父とのことで、なんか不味いことでも」と思ったのだが、
さすがにこれは、口にはだせなんだ。
残りの、クリームパンは盆の上に載ったままである。

なにかがおかしい。
「ハッキリしいや、いつもの母ちゃんらしくないやん」と母にセッツク彼。

お茶をゴクリと飲み、母はやおら正座になりなさる。
こんなこと、されたことはない、なにやら、こちら、緊張感がつのる。

そして母の口から、ついて出た言葉が
「ゴメン、ほんまにゴメン、言わんままにしょうと思ッとんやけど、
ウチの
気性からいうて、絶対無理やし、余計しんどなるさかい、今日言うて
しまおう
と決心したんや

oldboy-elegy君「???」のまま、
「もうそれは分かったから、ハッキリ言うて」と何もわからぬまま、
ドキドキしている自分がいる。

母は下を向いたまま
「ゴメンoldboyちゃん、見てしまったんや!!、あんたの秘密の物!!」

先ほどの、チープな洋服ダンスの画像をもう一度みてほしい。
このタンスの右開き戸の一番奥に、3段の小物入れ用の引き出しが置いて
あるのである。

oldboy-elegy君にとり、この小ダンスは、取り敢えず、少々、心やましい
物を入れ置く小棚であったことは間違いない。
しかし3段の一番上段は鍵がかかるこしらえになってたはずだが、使用した
憶えもない。


「なにがなんでも、絶対に秘匿すべきもの」と言う意識も薄弱であった、
ようにも思う。

「いった
何が入っていたのか」すぐに認識できずにいる、彼。

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               ★★★

       三段の小引き出しに入っていたもの

とりあえず、最初に思い出したのが、手紙類である。
殆んど、中学生のころに貰った、恋文とも言えない幼い手紙である。
10通近くあった、はずである。

今では、通っている学校も違うし、その中の幾人かは、もう働いている人
もいる。

もらった手紙を返せと言われたこともあった。
たまたま、その彼女に仕掛けたイタズラに激怒され、中2階の踊り場で取っ
捕まり、腰に乗せられ、あえなく木製の壁に投げ飛ばされたことである。
こともあろうか、その娘からも、手紙を貰っていた。

いかんせん、oldboy君、中学生の初め頃など、意識は子供中の子供で
あったようだ。

そんな手紙でも、もう学校も違うし、出会う事も考えにくいが、それとて
廃棄、償却するには、しのびないものがある。

じぶん的には、勝手に「処分は高校卒業のおり」と決めていたものである。


瞬間に事情を呑み込んだ彼、

「洋服タンスの奥の、三段の小ダンスか?」と力なく尋ね、目線は洋服
タンスを見ている。

母いわく
「それぞれ、じっくり見てへんよ、しらんままが良かったのやが、時、
すでに遅し、と言う事や」と。


瞬間の俺・無言のままの脳内映像
①タバコ  たしか「しんせい」1箱、封は切ってあるはず。
試飲はしてみたが、「ウへッ」となっただけで、今はこの3段にお蔵いり。

②手紙   10通前後 先ほども書いたように、高校卒業時に廃棄・償却する
つもり、当時、唯一の女友達であった「Tenko・テンコ」からの手紙はもともと
存在しない。
  

③ゴム・スキン・避妊具 今では普通にコンドームと言う、問題はこれ、
もちろん、今ここで「天地神明に誓って」言うが、おのれが使った 
ことはない。
ただ都合の悪い事に、5個か6個入っていた小箱の封が切られていて2個ほど
減っているはずである。
高校の友人に、話の都合上、oldboy-elegy君が買い、進呈した時の残りである。
これを、どのように言い、説明するかが問題である。
あるがままに、実際を話すしかない。

④あと、エロ本、好色本の類だが、何回か仲間内での「回し読み」の経験は
あったが、その都度 返却しているはずである。



                ★★★★

             さすが母上、話が旨い
         oldboy君のこと、傷つけずにお話、最後に俺、
           「別に怒ってないよ」でけり
           母も、胸をなでおろしたはずである。
         

母が最初に口にしたのが、問題の「コンドーム」の件である。

「あのスキン、あんたのやろ?」が、母が最初に発した言葉であったと思う。

oldboy君、
「うん」と答えながら、先ほどの「反論、言い訳」を口にしょうとした時、
母が、なんと、俺より先に「あんたは偉い!!、それに優しい!!」と言う
意味の言葉をおっしゃたのには驚いた。

「最後の最後、泣きを見るのは、女やからな」と吐息交じりに、そう遠くない

自分の過去を、思い起こされたのかも知れない。

チョットした「思い違い・ゆき違い」もあったが、oldboy君、その場で
訂正は
しなかった。

「ゴメンなoldboyちゃん、あんたの名字が、お父さんと違う事・・」

なにか話の方向がおかしな方向に向かう。

「おかん、その事に就いては、ホンマにホンマ、なんとも思ってないし、
むしろ親父の平凡な名字よりカッコいいと、思ってるぐらいや」と答えて
いた。

この言葉には、偽りはない、心底そう思っていたのである。

「もう、その件で親父と口論すんなや、このままでええやん」とoldboy君
「せやけど、あんた、就職の時に、響いてくる、って、誰かが言うたはった
よ」と母。

生涯 母は親父とは「内縁関係」のままであった。
もちろん、oldboy君は今も、言わゆる(私生児)のままである。

※今「私生児」なる言葉を使ったが、昔は「認知されていない子供」のこと
をそう呼んだ。
同時に少なからず「侮蔑」の意味も込めれたものであったらしい。
今では、書面では「非嫡出子」とされ、言葉で「嫡出子でない子」と呼ばれて
いるらしい。

当のoldboy君、母の胸中を「おもんばかる」故か、これに関しては、少々
距離を置いてきた感が強い。

この「私生児」なる言葉には「侮蔑」の印象が含まれるらしいのだが、ここは、
他人の事ではなく、当人oldboy君の事で使用しているので、許していただく
ことにする。

なんだか、妙な展開になった。
ことは、母の言葉で終始した。
oldboy君、「いまさら、なにをか言わんや」の心境である。
とどのつまり、この話は言い訳することなく、終わったのである。



最後に母「あ~、内緒にせんといてほんまに良かったわ、気分がスーとした」
は心よりの「本音」であったはず。

妹が遊びから、帰って来た。
とうぜん、母のあんパンを見て「うちも」とせっつく。
「お茶、入れ替えて来るは」と正座を解く母。

このチョットした事件は、母にも、oldboy君にとっても、「必然が招いた」
「当然の成り行き」であったように思う。

「俺、今年の年末のアルバイト二つ掛け持ちで大忙しや、きついけど、
給金ええんや」。

鶴橋の国際マーケットの卸鮮魚店と、インデラコーヒー店近くの花屋、
ハルさんの
門松造りである。

この折のアルバイト料が、高校の修学旅行で使用した革靴とハーフコートに
化けた
のである。

グレーのハーフコートには甘酸っぱい、青春の思い出が、今でも鼻腔を
くすぐる。


修学旅行の関西汽船の夜間船上デッキで、Tenkoテン子」と二人してコートに
クルマリ、時を過ごしたことである。


「あんた、アルバイトもええけど、勉強ガンバリや」と最後に母のキツーイ
一言、痛いところを突かれることになった。

  以上、少年期の男の子の誰でもが経験すると言う、oldboy-elegy君的、
        「成人への通過儀礼」の話の一コマである。



     それでは今日のお話も、これにて終わりにする。では では

       
                
              oldboy-elegy

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